クロックス社は、熱風社(hotwind)が自社の5種類のクロッグサンダルの装飾を模倣したとして、不正競争行為に該当すると主張し、1500万元の賠償金を求めた。一審では、蘇州市中等裁判所がクロックス社の主張を支持し、熱風社の権利侵害を認定し、250万元の賠償金を命じたが、江蘇省高等裁判所はこのほど、一審判決を取り消し、クロックス社の全ての訴訟請求を棄却する二審判決(事件番号:(2024)蘇民終665号)を下した。
二審裁判所は、クロックス社が十分な立証を行っておらず、係争の5種類のクロッグサンダルの装飾が、被疑侵害行為が行われた時点で市場に対し一定の影響力を有していたこと、また消費者の間に商品の出所を識別できる認識が形成されていたことを証明できないと判断した。その具体的な根拠は以下の4点である。
宣伝面から見ると、クロックス社の公式サイト、過去のメディア報道、タレント起用及びプロモーション契約などのいずれにおいても、係争クロッグサンダルの装飾について効果的な宣伝活動が行われていなかった。
販売面から見ると、クロックス社全体の売上高、店舗数、プラットフォーム上のブランドランキングなどのデータは、係争装飾が使用されたサンダルの販売数量や市場での実績と結び付けられず、同社が一方的に提出した販売資料も裏付けがなく、その真実性が疑われている。
製品の属性から見ると、クロックス社自身も認めているように、係争クロッグサンダルの穴やストラップなどのデザインは、主に軽量性、通気性、足の固定など、実用的な機能を実現するためのものである。
権利行使の面から見ると、クロックス社による装飾に関する権利行使の事例は極めて少なく、またブランド商標の知名度は、係争装飾の知名度と同一視ができない。
本件全ての証拠から判断した結果、二審裁判所は、係争クロッグサンダルの装飾が法律上保護される「一定の影響力を有する商品の装飾」には該当せず、熱風社による不正競争行為が成立しないと判断した。(2026年6月8日 知産庫)
