先日、上海知財裁判所は、栄耀終端股份有限公司(以下「栄耀社」という)が創某社、麦某社など被告7社を訴えた商標権侵害訴訟の二審において、一審判決を変更し、賠償額を1200万元から3000万元に引き上げるとともに、麦某社と創某社に対して、商標権侵害行為を直ちに停止するよう命じた。
 
本件において、栄耀社が保有する第10638363号商標「栄耀」は、携帯電話やタブレット端末などを指定商品としており、これまでに複数回で馳名商標に認定され、市場知名度が極めて高い。また、麦某社は過去に第三者から第30502169号商標「栄耀剣舞」を譲り受け、創某社にその使用を許諾していた。

一審裁判所は審理を経て、奥某社、学某社及びあるネットワークサービス事業者の3社には賠償責任を負う必要はないと判断した。また、係争商標「栄耀剣舞」は当時有効であったため、一審では懲罰的賠償の請求が認められず、麦某社と創某社が栄耀社に1200万元を共同で賠償するよう命じられた。

栄耀社は、一審裁判所が被告による係争標識の使用行為を適切に判断せず、侵害行為の停止請求も認めなかった一審判決を不服として上訴した。また、懲罰的賠償の適用を改めて強く求めるとともに、二審で被告7社に対して総額3000万元の賠償を命じるよう求めた。

二審裁判所は審理を経て、一審の事実認定に誤りはないものの、法律の適用に不備があり、被告が「栄耀剣舞」の文字標識を単独で使用した行為も同様に商標権侵害に該当すると認定した。そして、事件の詳細な経緯をみると、係争商標「栄耀剣舞」はその後無効宣告され、麦某社と創某社は、かつて同種のタブレット端末をめぐる権利侵害について栄耀社と和解に達したことから、当該商標の権利が不安定な状態にあることを十分に認識していたはずである。しかし、無効宣告決定書を受領した後、両社は依然として被疑侵害品の生産・販売を継続しており、主観的な侵害故意は明らかである。

また、調査の結果、本件被疑侵害品の総売上高は1.8億元を超え、商標が無効宣告された後の売上高だけでも2897万元余りに上り、侵害利益は巨額に達していた。二審裁判所は、侵害の情状、販売データ、利益率及び懲罰的賠償の適用規則を総合的に考慮し、栄耀社が請求した3000万元の賠償を全額認めるとともに、麦某社と創某社に対し、全ての商標権侵害行為を停止するよう明確に命じた。(2026年5月28日 知産フロンティア)