(2001年10月30日最高人民法院審判委員会第1197回会議で採択)

 各省、自治区、直轄市の高級人民法院、解放軍軍事法院、新疆ウィグル族自治区高級人民法院生産建設軍団分院

 国務院の「集積回路の回路配置に関する保護条例」は2001年10月1日より施行された。集積回路の回路配置の利用権に対して司法上の保護を与えることは、人民法院における新たな任務である。この審判を実行することは、集積回路の回路配置の創作者の合法的な権利の保護、集積回路技術開発の推進、科学技術発展の寄与に重要な意義のあるものである。

 人民法院が集積回路の回路配置(以下は回路配置と略称する)事件を法により受理し、公正に審判するために、「中華人民共和国民事訴訟法」、「中華人民共和国行政訴訟法」および「集積回路の回路配置に関する保護条例」の規定に従い、回路配置事件の審判に関する問題について次の通り通知する。

一、受理する事件の範囲

 人民法院は、次に掲げる「中華人民共和国民事訴訟法」第108条、「中華人民共和国行政訴訟法」第41条に規定されている訴訟要件に合致する回路配置事件を受理する。

1. 回路配置利用権の所有にかかわる紛争に関する事件、
2. 回路配置利用権移転契約にかかわる紛争に関する事件、
3. 回路配置利用権侵害にかかわる紛争に関する事件、
4. 訴訟前の侵害の差止め、財産保全の申立てに関する事件、
5. 国務院知的財産権行政主務機関による回路配置登録申請の却下に関する再審決定に不服がある場合の事件、
6. 国務院知的財産権行政主務機関による回路配置登録申請の抹消に関する決定に不服がある場合の事件、
7. 国務院知的財産権行政主務機関による許諾されていない回路配置の利用に関する決定に不服がある場合の事件、
8. 国務院知的財産権行政主務機関による許諾されていない回路配置利用の報酬に関する裁定に不服がある場合の事件、
9. 国務院知的財産権行政主務機関による回路配置利用権侵害行為の処分に関する決定に不服がある場合の事件、
10.国務院知的財産権行政主務機関による行政再審の決定に不服がある場合の事件、
11.その他の配置回路に関する事件。

二、事件の管轄

 本通知第1条に列挙されている(5)ないし(10)の事件は、北京市第一中級人民法院が第一審人民法院として審理を担当する。その他の事件すべては、各省、自治区、直轄市の人民政府所在地、経済特区所在地および大連、青島、温州、佛山、煙台市中級人民法院が第一審人民法院として審理を担当する。

三、訴訟前に関連行為の差止め措置を申し立てる場合の適用

 訴訟前に、回路配置利用権侵害行為の差止め措置を人民法院に申立てた場合は、「最高人民法院の訴訟前特許権侵害行為の差止めの法律適用問題に関する若干規定」を参照してこれを執行すべきである。

四、訴訟の中止

 人民法院が回路配置利用権侵害にかかわる紛争事件を受理したのちに、被告が原告の回路配置利用権における不安定性を理由に訴訟の中止を求めた場合、人民法院は通常訴訟を中止しない。

 各高級、中級人民法院は、裁判関係者に回路配置条例について学習、研究させ、関連法理論および専門知識を充分に理解させて、裁判関係者の業務上の質および司法水準の向上に努めるべきである。回路配置にかかわる事件についての調査、研究を積極的に実行し、審判上の経験を怠りなくまとめる。回路配置にかかわる確定判決の判決文を速やかに最高人民法院に提出しなければならない。